山中和紙の和傘「番傘」

「美しの紙展」のために制作された特注品の「山中和紙の番傘」です。

番傘は骨が太く、どっしりとした貫禄があり、どこか男性的。

そんなことも加味しながら、清水忠夫さんの山中和紙を使っていただくことにしました。

制作は岐阜市の和傘CASAに依頼。

開いた内側を見ると、なんとも美しい竹本来の色の世界。

なににも染められていない、山中和紙の質感のまま。

山中和紙の特徴でもある生成り色が、竹の色と相まってとても美しく仕上がりました。


光を透かすと、真っ白に光を放つ紙に竹が浮かび上がり、

その整然としたさまには、骨の力強さと同時に上品さも感じられます。

ちなみに、番傘の骨の数は、多めの48本。

骨だけを1本の竹から割って作る、専門の職人さんがいらっしゃいます。

後継者の育成に力をいれている

「ろくろ」と言われる和傘の命とも言っていいほどのパーツ。

これだけを作る職人さんがいらっしゃることも驚きです。


和傘を閉じた時の色合いを決める漆。

今回は黒に仕上がっています。


和傘の頭の部分は、グレーと黒で。

シックで格好良く仕上がっています。

「美しの紙展」では、展示場所の関係上、ガラスケースの中に展示しました。

本当は手にとってもっと近くで感じて欲しかったのですが。。。。

ごめんなさい。

ロクロ職人、竹骨職人、和紙職人、それぞれの素材を使い、

傘職人の手により

骨を組み立て、和紙を張り、漆を塗り、

最終的に和傘のカタチに仕上がります。

どの職人が欠けても、この傘は仕上がりません。


こうした素晴らしい伝統と技術の融合により、

今回、飛騨と美濃のコラボした、特別な和傘ができあがりました。

すべての職人さん方に感謝いたします。

本当にありがとうございました。




今回、番傘に使わせていただいた山中和紙の製造元:清水忠夫さんも

美しの紙展に足を運んでくださいました。

一番右は、山中和紙の生産者との橋渡し役をしてくれた山田冬希(旧姓:川邉)ちゃん。

なんども河合を行ったり来たりしながら進めてくれた、

大事なキーパーソンです。

彼女のお話はまた追って。


和傘制作:
岐阜和傘専門店 和傘CASA

〒500-8009 岐阜市湊町29

長良川てしごと町家CASA1F

tel 090-8335-9759

https://www.teshigoto.casa/

オンラインショップ

https://wagasa.shop/

和紙制作:山中和紙

【使用和傘:番傘】清水忠夫氏






\ 朗報! /

実は、美しの紙展で生まれた、山中和紙の和傘の縁が、

商品化に結びつきそうです!

和傘が日常的に使われていた時代にはあったであろう、山中和紙の和傘。

現代でも手に入れられるようになるかも知れません。

今回の和傘制作を依頼して、和傘CASAさんからリリース予定。

お楽しみに。

「美しの紙展」公式ホームページ

2021.12.4(sat)~2022.1.23(sun) に飛騨市美術館で開催される「美しの紙展」の公式ホームページ 現在このホームページは制作中です。 OPENまで、しばらくお待ちくださいませ。